このページでは、薪ストーブ、ペレットストーブの選び方について、田淵金物ファームマート店(以下、当店)のスタッフとお客様の対話形式でご説明していきます。
薪ストーブの選び方
薪ストーブといってもたくさんの種類がありますよね。選ぶポイントとしては、デザインの好みや設置する家に合った大きさなどになるんですか?
はい。薪ストーブをご使用になるお部屋の広さ、容積に適したモデルを選ぶというのが一番大切です。なんと言っても薪ストーブは暖房器具ですから。
確かに。その先はどのように考えたらよいですか?
燃焼方式を検討材料に加えるといいかも知れません。
燃焼方式ですか。考えたことなかったですね。
燃焼方式で選ぶ
大きくわけて5つの燃焼方式があり、それぞれに特徴、メリット・デメリットがあります。
5つも。
お客様ご自身で全て把握される必要はないんです。ご来店いただいたお客様からは、ご要望や条件を細かくお聞きして、当店のスタッフが最適な燃焼方式の薪ストーブをご提案します。でも、お客様ご自身である程度知っておかれても損にはならないと思います。
簡単に教えていただけますか?
もちろんです。一つずつ見ていきましょう。
キャタリティック燃焼方式(触媒方式)
まず一番メジャーなのが、キャタリティック燃焼方式です。排気が非常にクリーンな燃焼方式で、特に住宅街にお住まいの方にオススメできる燃焼方式です。
煙突から出る煙でご近所の方に迷惑をかけたくないので、これは嬉しいですね。
はい。低温から高温まで、つまり着火から消火まで、薪ストーブを稼働させている間の排気が非常にクリーンなんです。
デメリットとしては何がありますか?
使用状況にもよりますが、触媒を数年に一度交換する必要があり、そのための費用(数万円)がかかります。ここが非触媒方式との一番の違いですね。
POINT煙はキャタリティックコンバスター(触媒)へ入る前にバッフルで過流をかけられ、エアーディストリビューターから出てくる新鮮な空気と混ぜられます。その煙をキャタリティックコンバスターが低温でも強力に発火させ、燃焼させます。結果として煙はきれいになり、非常に高い熱効率を得ることができます。
クリーンバーン燃焼方式(非触媒方式)
残る4つは全て非触媒方式になります。触媒方式か、非触媒方式かという大きな分類で覚えておいていただいても問題ありませんが、せっかくなので今日は少し詳しく説明していきますね。
よろしくお願いします。
非触媒方式の代表選手は、クリーンバーン燃焼方式です。最も多くのモデルに採用されている燃焼方式と言えるかもしれません。
どういう特徴があるんですか?
クリーンバーン燃焼方式に限りませんが、非触媒方式の特徴は、操作が簡単という点がまず挙げられます。
薪ストーブは薪を燃やすだけだと思っていたんですが、燃焼方式によって操作の難易度が変わるということですか?
そうなんです。触媒方式の場合、炉内の温度が上がってきたらダンパー(煙の流れを変える装置)を閉じて、熱した空気が触媒(キャタリティックコンバスター)で2次燃焼を起こすよう操作してやる必要があります。しかしそもそもクリーンバーン方式※にはダンパーがありません。
何もしなくていいんですか?
薪ストーブ本体の下を見てください。レバーがあるのが見えますか?

ありますね。
これは薪ストーブに流入する空気の量を調整するためのレバーです。着火して炉内の温度が上がるまでは空気をたくさん入れてやり、薪が燃えて炉内が十分に熱されたら閉じ気味にして、薪が燃えすぎないようにしてやるわけです。
なるほど。触媒方式は入る空気と出ていく空気、2つの調整作業があるのに対して、クリーンバーン方式※は1つでいいというわけですね。
おっしゃるとおりです。加えて非触媒方式はメンテナンスも比較的簡単という特徴がありますね。
POINT燃焼室上部に設置されたバッフル板(熱が逃げるのを防止する板)の付近に新鮮な空気を放出して二次燃焼を行い、完全燃焼(クリーンバーニング)を促します。
リーンバーン燃焼方式(非触媒方式)
次はリーンバーン燃焼方式です。最大の特徴は燃費の良さです。
薪ストーブで燃費が良いということは、薪の持ちが良いということですか?
そのとおりです。熱効率が非常に良い設計になっていて、且つ排気もクリーンなんです。
POINT一次燃焼から四次燃焼まで行うように設計されており、キャタリティック燃焼方式に次ぐ排気のクリーンさを実現。燃焼用空気をたっぷりと使うため熱効率が高く、薪の消費が抑えられるほか、分厚い鋳物を組み合わせた本体からの輻射熱による暖房効果も得られます。
ファイアドーム燃焼方式(非触媒方式)
4つ目は、ファイアドーム燃焼方式(非触媒方式)です。先ほどご紹介したクリーンバーン燃焼方式と同じく、シンプルで扱いやすいのが特徴です。
他にどんな特徴があるんですか?
熱の温度を一定に保つことができるので、薪ストーブでクッキングを楽しみたい方におすすめしています。
POINT薪の燃焼に必要な空気をコントロールすることで、熱の出力温度を一定に保ち、持続した暖かさを長時間にわたり放出します。一次燃焼用の空気は、前面下部の空気口から入り、サイドを通りながら上昇しガラス面に降りかかるように空気を送り込みます。二次燃焼用の空気は火室内の背面から降り注ぐように入り、未燃焼ガスを燃焼します。煙はストーブ後部にある二次燃焼室に吸い込まれ、さらに空気が入り未燃焼ガスを燃焼させ、クリーンな煙として排出します。
フレックスバーン燃焼方式(ハイブリッド方式)
最後はフレックスバーン燃焼方式(ハイブリッド方式)です。
ハイブリッド。
はい。触媒方式と非触媒方式を組み合わせた燃焼方式です。触媒方式による高い燃焼効率、非触媒方式の扱いやすさ、優れたメンテナンス性を持つ正にいいとこどりの燃焼方式ですね。
POINT3度の燃焼がつくり出す空気の流れが燃焼効率を高め、薪が本来持っているエネルギーを最大限、引き出すと同時に、クリーンな排気も実現。触媒なしでも使用できますが、搭載することで低燃焼時の効率は15%も高まります(触媒は標準搭載)。
材質で選ぶ
薪ストーブには5つの燃焼方式があり、それぞれの特徴があることが分かりました。薪ストーブを選ぶうえで、他に見ておくことはありますか?
そうですね、当店では材質の違いも商品を選定する際に考慮しますね。
材質ですか。
はい、薪ストーブに使われている材には大きくわけて、鋳物と鋼板があります。
鋳物製

表面に小さな凹凸があるのが鋳物の特徴
まず、鋳物製の特徴からご紹介しますね。
鋳物って溶かした鉄などを型に入れて成形したものですよね。
よくご存知ですね、そのとおりです。型は鎔笵とか鋳型と言われます。鋳物は、この型に溶かした金属入れて成形、製造された金属製品の総称です。
鋳物の特性というと、どんなものがありますか?
第一に蓄熱性の高さです。一度温まると冷めにくいんですね。ただし、薪を燃やしはじめてから蓄熱・放熱するまでに時間がかかるという特徴もあります。
勝手なイメージですが、鋳物の薪ストーブと聞くと、クラシカルで重厚なイメージですね。
実際にそのとおりで、鋳物はクラシックスタイルの薪ストーブに多いんですよ。印象的な意匠が施された薪ストーブも多いですが、これはデザイン的な意味だけでなく、放熱性能を高めるための工夫でもあるんです。また、鋳物製の薪ストーブは経年変化も味わい深くて、ビンテージ感と言ったらいいんでしょうか、使い込むほどに味が出るんですよね。
POINT・蓄熱性が高く、一度温まると冷めにくいが、温まるまでに時間を要する
・伸縮性が低いため、急激に温度が上がると破損の恐れがある
鋼板製

鋳物に比べてフラットな表情が鋼板の特徴
残る鋼板についても教えてください。
鋼板はいわゆる鉄の板ですが、厳密に言うと鉄と鋼は違うものなんです。鋼は鉄に炭素やリン硫黄、マンガン等を加えて強度や靭性を増強していて、薪ストーブのように高熱で長時間、長期間使用しても大丈夫なように鍛えてある金属なんですね。
なるほど。
特徴としては、気密性を高く保てること、燃費が良いことなどが挙げられます。また鋳物製とは逆で、温まりやすく冷めやすいのも特徴の一つですね。
こうしてみると、シンプルでスタイリッシュなデザインのものが多い印象ですね。
おっしゃるとおりです。
POINT・速暖性、気密性が高い
・鋳物製と比べて着火が容易
輻射熱、蓄熱性が低いが炉内にセラミックレンガを配置するなどしてこれらを高める製品も
薪ストーブの選び方・まとめ
まとめると、まず使いたい場所の広さや容積にあわせた暖房能力を持つモデルをピックアップして、それから燃焼方式や材質、デザインなどで絞り込んでいく、という感じでしょうか。
そうですね。ただフローチャートでYES、NOに答えていくというようなものではないんですよね。
もっと複雑なものだと。
そう感じています。ご来店くださったお客様には、使う頻度や時間の長さ、家族構成やライフスタイルなど、とにかく色々お伺いするようにしています。薪ストーブは「やっぱり合わなかった」と簡単に取り替えることができるものではありませんし、これがベストなご提案だと確信できるまで、とにかくたくさんのことをお聞きしますね。もちろん、最終的に決めるのはお客様なんですが。
とにかく一度、お店に来て相談してくれということですね。
はい、そうです(笑)。ぜひ一度お気軽に、遊びに来る感覚でお越しください。
