ゼノア製チェンソー チェーンオイル吐出不調
チェンソーのチェーンオイルが出ない、と修理依頼がありました。
早速見てみるとゼノアのG3401EZ。

下に吸油マットを敷いておきましょう。
カバーを外して、ソーチェンとガイドバー、あと本体のオイル吐出口を見てみます。

オイル痕が無い・・・。
↑本体部分。真ん中の黄色い部分にある穴からオイルが出てきます。

組み付け前に軽く清掃しておきます。
↑ガイドバー。真ん中にある穴から上部分のスリットに向かってオイルが流れます。
本体、ガイドバーと見てみますがしばらくオイルを吐出した痕が無いような・・・。
ということは・・・。
とりあえずオイルポンプ周りを見ることにします。

画像は一部加工してあります。
まずクラッチを外します。
幸いにも六角レンチが使えるタイプですね。レンチが使えないときには

右側にレンチを当てます。
こんな特殊工具を使ったりします。ゼノアチェンソー専用です。
六角レンチをクラッチに当てて時計回りに回して・・・それだけでは回るばっかりで緩まないので

機種によっても違います。
↑スパークプラグを外してシリンダー内にピストンストッパー(これもゼノア用です)を入れておきます。

左側の黄色いものが後述のタンクベントです。
クラッチが外れました。
出力軸周りのカバーとかを外します。

オイルポンプ下側から上側に向かってオイルが流れます。
↑真ん中の銀色の物体がオイルポンプ

外した後は紛失防止の為ケースか何かに入れておきましょう。
↑外した部品。上段右のウォームギアがエンジンの回転をオイルポンプに伝えます。
ウォームギア見てみます。

奥側はスプロケット。
溝が削れて破損しているのが分かりますでしょうか?
これではオイルポンプにエンジンの回転が伝わらないので、チェーンオイルが吐出されない、というわけです。
このウォームギアの破損によるチェーンオイル吐出不良。
実はゼノア系のチェンソー(OEM供給先の製品含む)の持病?なんです。
当店でも何件か修理してます。
無理な力が加わってもプラスチック製のウォームギアが先に破損することで、オイルポンプ本体の破損を防ぐ・・・という考え方なんでしょうか。
さて、念のためオイルポンプ自体のギアを回して吐出を確認。OKです。
さらにタンクベントも見ておきましょう。

左側がタンクに繋がって、右側にネジが刺さってます。 よく見ればネジが見えるかも。
真ん中の黄色いホースがタンクベントです。
タンク内の気圧を一定に保つ為の仕組みです。
チェーンオイルが減った分だけ空気を取り込み、気圧を一定に保つわけです。
ホースの片側はタンクにつながっていて、反対側には木ネジが刺さってます!?
(写真を撮り忘れましたが)
・・・実は標準でこの仕様です。
木ネジの溝を利用して、オイルが漏れるのを防ぎつつ空気を取り込んでいるんです。
シンプルでコストのかからない方法ですね。
と、いうわけで原因が判明したので部品を注文して入荷を待ちます。
入荷しました。

部品名が「OILPUMP SET」・・・。
開封します。
・・・オイルポンプASSYですね。
実はゼノア、ウォームギア単体での部品供給が無くオイルポンプセットとなっています。
セット品なので値段もそれなりにかかりまして・・・機種にもよりますが大体¥4,000~¥7,000くらいでしょうか?

右側の溝の潰れ具合が分かるかと。
左が新品、右が破損した物です。
グリスで分かりにくいかもですが、比べれば右側の破損具合が分かりますね。
あとはオイルポンプとウォームギアを新品に交換してクラッチ、スプロケット等を元に戻してバー・ソーチェン・カバーを装着して試運転して吐出を確認して終了です。
チェーンオイルが吐出されないとソーチェンとガイドバーの焼付きに繋がります。
おかしいな?と思ったら当店へご相談ください。

